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2-1.  区分ワンルーム投資の大きなデメリット

いよいよ当サイトの本題、区分ワンルーム投資の章です。

※このサイトの「区分ワンルーム投資」は、マンションの一室のみを購入し、それを第三者に賃貸(あるいはどこかの時点で売却)し、家賃(または転 売 益)を狙う投資と定義します。また、特に注釈がない限り、「東京または東京近郊」のエリアを想定して記載しています。


これから区分ワンルーム投資のハウツーをご説明していくわけですが、率直に申し上げてかなりのボリュームになります。

そのため、まずは「あなたの目的に区分ワンルーム投資が合致するのか?」「あなたにとって、区分ワン ルーム投資は詳しく学ぶに値する投資手法なのか」の確認からお話しさせていただきます。


こんな確認から入るのには、理由があります。

私は区分ワンルーム投資は、多くのサラリーマンにとって相性の良い投資の一つだと思っていますが、万人に当てはまるわけではありません。

その方が不動産投資により実現したいこと(=目的)や、保有資産・属性、あるいはご家族の状況等によって、「区 分ワンルーム投資をすべきでない」方もいらっしゃるからです。

実際、私の個別相談に来られた方のうち何名かには、「私ではなく一棟物の有識者に相談すべき」「今は不動産の購入自体を控えるべき」とお話しさせていただい たこともあります。


皆さんのなかにも、一棟物を中心に扱う不動産業者のセミナーや、一部のカリスマ大家と称される方の書籍などで、「区 分ワンルーム投資は儲からない」「よほど纏まった自己資金がないかぎり効率が悪い」という主旨の発言を聞いたことがあるかもしれません。

これはある意味では本当で、ある程度戸数が増える(または借入返済が終わる)までは儲かっている実感は薄いでしょうし、普通のサラリーマンの年収や貯金が自 己資金とすれば、区分ワンルーム投資での即リタイアはまず不可能です。


区分ワンルーム投資ならでのメリットもありますが、メリットばかりを強調して、変な形で区分ワンルーム投資に誘導したくはありませんので、まずはしっかりデ メリットと向き合うところから、本章の説明を始めたいと思います。






私の考える区分ワンルーム投資の大きなデメリットは、

(1)規模拡大に時間がかかる

(2)購入後の工夫の余地が小さい

という2点です。


(1)について、例えば、アパートやマンションを一棟丸ごと購入する場合、小ぶりな物件でもだいたい4戸、大きな物件であれば10戸以上の部屋を同時に購入 することになります。

つまり、区分ワンルーム投資の4倍とか10倍の規模からスタートできるわけです。(もちろん、そんな単純な話ではないのです が、まずはイメージを掴んでいただくために敢えて乱暴な書き方をしています)

また、区分マンションは土地の持ち分をマンション所有者全員で割るため、特に都市部に多い高層マンションでは、一部屋あたりの土地の持ち分はごく僅かとなり ます。

詳細は後述しますが、土地の持ち分が小さいことで、金融機関から担保評価を受けづらく、借入によるスピードアップに限界があります。

ただでさえ、1戸ずつしか増やせないのに、次の1戸を増やすのにも時間を要してしまうのですね。


では、規模拡大に時間がかかると、なにが困るでしょうか。

まずは、資産拡大が遅くなり、リタイアを目指すのであればその実現時期は当然遅くなりますよね。

しかし、それ以上に困るのは、特に初期段階において、空室や滞納、室内修繕等の確率論で計算できるイベント が確 率どおりに発生しないことだと私は考えます。

たとえば、過去の平均入居率90%の物件があったとしましょう。

ある程度纏まった戸数があれば、毎月10%前後の空室発生で計算すれば大きな予実差は生じない可能性が高いでしょうが、区分ワンルーム1戸しかない状態で、 その1戸がたまたま空室になれば、一気にその月の空室率は100%です。(そしてこれは十分に起こりえる話です)

加えて、区分ワンルーム1戸所有の段階では毎月の儲けも僅かでしょうから、不動産投資を始めて十分な利益が積みあがる前に空室等になれば、赤字決算に直結す る恐れがあります。


たまに、「一棟物は一ヵ所に資産が集中するため火災や地価下落のリスクに弱い。分散投資できる区分ワンルームの方が安全」という発言を見かけます。

一見正論に見えますが、「ある程度纏まった戸数の区分ワンルームなら・・・」という但し書きが必要です。

むしろ、区分ワンルーム1戸の状態は、何の分散効果も持たない状況にあることを、十分理解すべきです。






(2)について、マンション全体の管理は、マンション所有者で構成する理事会や管理組合が担います。たとえば、日々の清掃や管理人の勤務時間、マンションの エントランスやポスト、外壁・水道管・屋上防水といった設備の修繕などは、すべて理事会や管理組合の決定事項によって決まります。

あなたが自分の部屋をキレイにリフォームしても、エントランスの電球が切れていたり、ゴミ置き場が散らかっていたりすると、ひょっとしたら入居者募集にマイ ナス影響が出たり、せっかくの入居者が早めに退去してしまうかもしれません。

また、将来的な建て替えや更地化売却においても、マンション所有者同士で意見が割れ、出口戦略が限られる恐れがあることも、よく指摘されています。

アパートやマンションを一棟丸ごと購入すれば、あなた一人の意向と戦略で様々な対策も打てましょうが、そうもいかないのが辛いところなのですね。

メガ大家さんや一部の一棟物を中心に扱う不動産業者は、アパートやマンション全体をコーディネイトして、家賃や入居率の維持・上昇を図り、あわよくば高値で の売 り抜けを目論見、短期間で大きな利益を出すことを狙います。(もちろん成功ばかりではないですが)

こうした投資戦略の立場から見れば、いかに区分ワンルーム投資は面白みのない投資と見えるのかは想像に難くありません。



区分ワンルーム投資をするならば、これらデメリットを十分自覚し、「対策を講じる」or「受容する(デメリット以上のメリットを見出す)」ことが大前提とな りま す。


さて、あなたはこれらデメリットを踏まえてもなお、区分ワンルーム投資をしたいと思うでしょうか?

各人によって判断が分かれるところですので正解も不正解もありませんが、冒頭に書いたとおり、私は区分ワンルーム投資は、かつての 私自身を含む、多くのサラリーマンにとって相性の良い投資の一つだと思っています。


では、これらデメリットに私はどのように向き合ったのか、私なりの考えを次ページで詳しく説明していきます。


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