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2-2.  区分ワンルーム投資のデメリット対策

前ページで、区分ワンルーム投資をするうえで自覚すべき2つのデメリットを書きました。

(1)規模拡大に時間がかかる

(2)購入後の工夫の余地が小さい


このページでは、これらデメリットに私はどのように向き合ったのか、私なりの考えを詳しく説明していきます。(なお、注記のないかぎり、「普通のサラリーマ ン」を想定した記載とご理解ください。たとえば十分な自己資金や資産をお持ちの方や超高年収の方であれば、この限りではありません)


(1)について、以下ポイントが意見の分かれ目になると考えます。

・当面はサラリーマンを継続するつもりなのか

・一定規模に拡大するまでは、早期の買い増しのため我慢(節約)できるか


前者は、繰り返しになりますが、「普通のサラリーマン」が、区分ワンルーム投資によって即リタイアす るのは極 めて難しいのは間違いありません。

私自身、周囲のサポートや時代背景に恵まれたうえでも、不動産投資を始めてからリタイアまで約10年を要していますし、私の周囲で順調に資産を増やしている 方でも、やはりリタイア可能な水準に拡大するま で、概ね10年前後はかかっているようです。

こればかりはどうにもなりませんので、正直に申し上げて、「今すぐサラリーマンを辞めたい」という方 は、区分ワンルーム投資には手を出さない方がよいと思います。

逆に、当面はサラリーマンを継続するつもりであれば、サラリーマンの属性を活用した様々なメリットを享受できる可能性があります。(メリットについては後述 します)


後者についても、大事なことなので繰り返しますが、区分ワンルーム投資の分散効果は、複数戸保有してはじめて発揮されます。

言い換えれば、区分ワンルーム1戸だけの状態はリスクが高いということです。

できるだけ早く2戸目・3戸目・・・の買い増しが望まれますが、前述のとおり、区分ワンルーム投資における借入は、購入戸数を重ねるごとに厳しくなるジレン マがあり、どうしてもある程度の自己資金が必要となってしまうのです。

 ※区分ワンルーム投資における借入のジレンマ詳細は、以下の記事を参照ください。

  区分ワンルーム物件の資産価値(担保価値)とは!?


そのため、ある程度の規模になるまでは、不動産投資の利益は貯めておき、サラリーマン収入からもできるだけ資金を捻出して、少しでも早い買い増しに備えるの が王道 となります。

せっかく大金を投じて(あるいは大きな借入を起こして)大家になっても、しばらくは我慢の時代が続くと いうわけです。

もちろん誰も好んで我慢などしたくはありませんが、後述する区分ワンルーム投資のメリットとの天秤で、これを受容できるかが判断の分かれ目となります。

 ※この我慢の時代を軽減するテクニックもあります。

  △△△(作成中)





(2)については、以下ポイントが意見の分かれ目になると考えます。

・建築やリフォームの知識・スキル・人脈があり、自ら建物全体に手を加えたいか

・建物管理や建物修繕は、外注ではなく、あくまで自分で行いたいか


前者について、購入後の工夫によって物件の市場価値を高めるのに手っ取り早いのは、入居者の家賃を上げることですが、その王道は、リフォームや競合物件にはない付 加価値の創出です。

一棟物で成功されている大家さんたちは、日ごろから、いかにお金をかけず にリフォームできるか、物件特性に応じた付加価値を作れるかを試行錯誤し、家賃アップ(あるいは入居率アップ)を追求されています。

しかし、区分ワンルームの場合、専有部分はある程度自由に変更できますが(専有部分でも、大抵は管理規約で制約があり、完全に自由にはできません)、マンションの エントランスや階段・廊下・外壁等は自分一人では変更できず、理事会や総会の決定が必要です。(詳細は後述しますが、これが 大変にハードルが高いのです)

もちろん専有部分をしっかりリフォームするだけでも、一定の家賃アップは期待できます。

しかし、いくら専有部分(=室内)がバッチリでも、マンション建物自体が老朽化していたり、時代にそぐわない見た目であった場合、一棟物のような家賃アップ は期待できない でしょう。


私の場合、建築やリフォームの知識もなく、DIYどころか組み立て家具にすら苦戦する不器用さ、さらにサラリーマンの若手だった頃は深夜残業も当たり前で、 時 間も体力もありません。

建物全体はおろか、室内のリフォームさえ自分でどうにかできるとは思えませんでした。

それゆえ、むしろ競合する大家に出し抜けされにくい区分ワンルーム投資は自分に合っていると考え、購入時点でしっかり管理された物件を選ぶことで守りを固め、攻めは諦めたのです。

逆に言えば、「競合する大家を出し抜いてやる!」という気概の方には、区分ワンルーム投資は向いていないかもしれません。




後者について、区分ワンルーム投資では、建物全体の管理・修繕のために、「建物管理費」「修繕積立金」を毎月支出することになります。

建物管理費は、日常の巡回や定期清掃、軽微な保守点検等に使用され、余剰があれば修繕積立金に移管するのが一般的です。

また、修繕積立金は、将来の建物修繕に向けてお金を積み立てておくものですので、どちらも無駄ではなく必要なコストではあります。


しかしながら、着目すべきは、これらが割高になりがちで、融通が利かないことです。

多くの区分マンションでは、建物管理を建物管理会社に外注しており、かつ外注先は、新築分譲した会社の子会社や関連会社というケースが目立ちます。

その場合、建物管理費は、新築分譲したグループ会社による「言い値」ですから、管理品質に対して割高な金額となっているケースも少なくありません。(途中で 建物管理会社のコンペを行う区分マンションもありますが、手続きのハードルが高く、まだまだ少数派です)

その一方、一棟物であれば、必要なときだけ自分で対応するか、スポットで外注すればよいため、相対的に建物管理費は割安に抑えられるでしょう。(丸ごと管理 会社に外注する場合でも、自分一人の考えでコンペ等を自由に行えるため融通が利きやすいでしょう)


また、修繕積立金についても、一棟物であれば、必要なときに必要な部分だけ補修すればよいのですが、区分マンションでは、問答無用で毎月固定額を支出しなけ ればならず融通は利きません。

さらに、「必要な修繕」も自分一人では決定できませんので、「過剰な修繕をされた結果、本当に必要な修繕発 生時に積立金が不足した」「修繕積立金はあるのに必要な修繕されていない」という状況も起こりえます。

総じて、区分ワンルームにおける建物管理費・修繕積立金は、割高になりやすく、融通が利かない構図 なのです。


では、私の場合ですが、以下2点に十分気を付けたうえで、これらを受容しました。

1つ目は、「建物管理費が高額な物件は避けること」です。

たとえば建物管理費が2万円の物件と5千円の物件で、管理品質に4倍の差があると感じたことはありませんし、仮に妥当な差があったとしても、その品質差は家 賃差となっては現れません。

それであれば、建物管理費には、エリアや物件規模で上限を引いて、一定額以上の建物管理費がかかる物件は避けるようにすればよいのです。(またはそれを考慮 した割安な金額でしか購入しないようにすればよいのです)

2つ目は、「必要な修繕を実施したうえで、修繕積立金が十分に残っている物件に絞ること」です。

よく「修繕積立金が多い物件を選べ」と言われますが、たしかに、過剰な修繕を繰り返していたり、そもそも修繕積立金が少なすぎたりする物件は危険です。

しかし、必要な修繕がされない結果、積立金が残っている物件もまた危険なのです。

ちなみに、「必要な修繕を実施したうえで、修繕積立金が十分に残っている物件」であれば、物件購入時に、前オーナーたちが積み立ててくれたお金も貰えるよう なもので、考え方によっては、むしろ一棟物よりも美味しいといえるかもしれません。



さて、ここまで区分ワンルーム投資のデメリットを強調して、ご説明してきました。

ここまで読んで、「やっぱり一棟にしようかな・・・」と迷う方もいらっしゃるでしょうし、「やはり自分には区分ワンルームが向いている」と再確認した方もい らっしゃるかと思います。


次のページでは、逆に私の考える、区分ワンルーム投資のメリットをお話ししたいと思います。



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