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2-6.  区分物件の価格とは!?⑤(収益還元法・実質利回り)

前ページにて、収益還元法のうち最もシンプルな、表面利回り基準での直接還元法をご紹介しました。
このページでは、もう半歩実用的な実質利回り基準から算定する直接還元法をご紹介いたします。


⑤直接還元法(実質利回り)

実質利回り基準による直接還元法では、期待収益を表面利回り基準よりも厳密に算定します。

不動産は売るにも、買うにも、持っているだけでも定期的に必ず発生する費用がありますので、
それらの費用を期待収益に織り込むという考え方です。

理論上は、大きな費用から小さな費用まで全てを織り込むほどより精緻な結果が出るのでしょうが、
少なくとも区分物件の不動産取引では、大体織り込む項目は決まっているようです。
通常、不動産業者さんとのやり取りで使う実質利回り基準の直接還元法は以下の式で表されます。

 期待収益(α)=(月額家賃-建物管理費-修繕積立金)×12ヶ月

 現在価値(購入価格)=期待収益(α)÷希望利回り

 実質利回り=期待収益(α)÷現在価値(購入価格)



建物管理費とは、建物の維持・管理のために建物管理会社に毎月支払う費用のことです。
また、修繕積立金は将来の大規模修繕等に備えて毎月支払う費用のことです。
大抵の場合、別々に支払い、別々に管理されますが、物件によっては一緒に管理されることもあります。
いずれにせよ、基本的には全ての区分物件で毎月発生する費用といえます。

月額家賃満額が手元に入ることはないので、期待収益を算定する際に予め考慮しておくというのは、
買い手側の投資家目線では理に適っていますね。




しかし、実際には建物管理費や修繕積立金と同じく、定期的に発生する費用が他にもあります。
また、購入時にスポットで必ず発生する費用もあります。

私が不動産購入を検討する際には、そうした費用も織り込んで判断しています。
あまり一般的ではないかもしれませんが、折角ですので合わせてご紹介させていただきます。

 期待収益(β)
=(月額家賃-建物管理費-修繕積立金-区分管理費)×12ヶ月
-固定資産税-都市計画税


 現在価値(購入価格)(γ)
=期待収益(β)÷希望利回り-仲介手数料-購入諸費用-不動産取得税


 実質利回り
=期待収益(β)÷現在価値(購入価格)(γ)


式で表すと、分かりづらいですね。書いている私も混乱してきました(笑)
やっていることは小学生レベルの簡単な算数ですので、サンプルを使って説明します。

<サンプル>
希望利回り
10%
家賃(月額)
70,000円
建物管理費(月額)
5,000円
修繕積立金(月額)
3,000円
区分管理費(月額)
2,000円
固定資産税・都市計画税(年額)
30,000円
仲介手数料・購入諸費用・不動産取得税(概算)
500,000円

この場合、期待収益(β)は、
(70,000円-5,000円-3,000円-2,000円)×12ヶ月-30,000 円=690,000円

希望利回り10%とすれば現在価値(γ)は、
690,000円÷10%-500,000円=6,400,000円

ということで、私が直接還元法でこのサンプルを評価する場合には6,400,000円が目安となります。


参考までに、他の方法で算定すると以下のようになります。
同じ直接還元法を使っても、不動産取引では結構な金額のブレになることがご理解いただけるかと思います。

<表面利回り基準での直接還元法>
  70,000円×12ヶ月÷10%=8,400,000円

<一般的な実質利回り基準での直接還元法>
 (70,000円-5,000円-3,000円)÷10%=7,440,000円


・・・と、ここで勘の良い方なら気付かれたかもしれませんが、私独自の計算式は若干インチキです(笑)

前ページで、直接還元法は「特定期間(通常は1年間単位)における期待収益を算定根拠とする方法」と
ご説明しました。

ところが、私の計算式では、購入時に1回だけの仲介手数料・購入諸費用・不動産取得税を入れており、
最も収益性の悪い初年度から割り戻して 現在価値を算定しています。
(まあ、売却する年にも仲介手数料や売却諸費用はかかるわけですが・・・)


たしかに、直接還元法でこのやり方は多少インチキかもしれません(笑)
しかし、実はこうした考え方は不動産投資ではとても大切でもあります。

たとえば、物件が空室になったり、エアコンや給湯器が壊れて交換したりすれば、
当然ですがその年の収益は下がります。
不動産投資において、「購入年度と売却年度以外は収益が一定」なんてことは基本的にありえません。


こうした経年での変動要素も算定根拠織り込んで、その物件の価値を更に精緻に算定しようとする考え方を
DCF法といいます。

次ページでは、このDCF法についてご説明していきたいと思います。


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