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2-9.  区分ワンルーム物件探しのコツ

前ページで、区分ワンルーム投資で良い物件を探すための心構えとして、「不動産業者に選ばれる投資家になることが重要」と書きました。

このページでは、不動産業者の販売事情を理解することを通じ、”不動産業者に選ばれる投資家”になる ための具体的なコツを考察していきます。

なお、区分ワンルーム投資の業界では、売主が個人(≠不動産業者)の仲介物件と、日本財託のような買取再販業者の物件では、だいぶ販売事情が異なるため、そ れぞれのパターン毎にご説明していきます。


(1)売主が個人の仲介物件

まずは、仲介不動産業者の立場に関して、以下2点を覚えておきましょう。

■不動産売買は成功報酬が原則!

原則として、仲介対象の物件が契約または引き渡しが完了するまで、不動産業者は報酬を貰うことができません。

■日本全国の不動産業者がライバル!

前ページでご 紹介したレインズ(REINS)を通じて、全国の不動産業者が、同じ物件情報を参照することができるた め、良い物件の販売は、全国の仲介不動産業者とのスピード勝負になってしまいます。


こうした立場の仲介不動産業者が、他社が仕入れた良い物件情報をレ インズで見つけたとします。(あるいは自社で良い物件を仕入れてレインズに情報掲載をしたとします)

さ て、どんな相手と取引したいと考えるでしょう?

仲介不動産業者は、他の不動産業者とのスピード勝負になりそうなことを念頭に置 き、自 分(または自社)で購入するケースを除けば、次のような相手と取引したいと考えるのではないでしょうか

 ①相場感覚があり、最低限の情報で購入即決できる相手

 ②確実に購入できる相手


①について、本当に好条件の物件では、電話で「●●駅徒歩△分、築××年の〇〇〇マンション、価格は・・・です。欲しいですか?」という具合です。

あるいは、不動産業者の持つメーリングリストやFAXリストで物件情報を一斉配信して先着順、ということもあります。

いずれにしても、その物件の好条件を察知し、細かい質問や的外れな指値をせず、即決してくれそうな相手と取引したいはずです。(物件の詳細確認や指値交渉し ている間に、満額の別の不動産業 者の客に取られてしまっては目も当てられませんから・・・)

そのため、日ごろから物件の価格相場を研究し、できればマンション名を聞いた時点で即決価格が判断できることを目指したいところです。

②について、購入意思があっても、資金不足や融資承認が下りずに買えないとなれば、取引が中断してしまいますので、基本は現金購入できる相手が最優先です。 次点で、融資の事前審査に通過している相手でしょうか。(好条件を自覚する売主から「現金客限定」と指定が入ることもあります)

並みの条件であれば、「融資特約」といって、もし融資が付かなければペナルティ無しで取引キャンセルできる条件を付けることが一般的ですが、区分ワンルーム 物件の価格帯では現金購入できる競合相手が大量にいますので、好条件の物件に融資特約を付けていたら勝負にならないのです。(私自身も、融資特約を付けて競り 負けたケースは何度もありますし、次から声をかけてくれなくなった仲介不動産業者もいました)

そのため、実際に現金購入するかは別として、融資が付かなくても取引ができるというだけの”見せ金”は、最低でも用意しておきたいところです。(融資特約な しで申し込み、万一融資が付かなければ現金購入するというやり方です)


・・・いかがでしょうか。

不動産投資初心者の方には難しいハードルではありますが、仲介の不動産業者の立場からすれば、やむを得ないことがご理解いただけるのではないかと思います。

もちろん、”良い物件”のなかにもピンからキリまであります。

極上物件ほど、買い手側は厳しくふるいにかけられますし、そこそこ程度に良い物件であれば、多少の融通は利かせてくれるかもしれません。

また、本音では良いと思っていない並みの物件(他の不動産業者と競合しにくい物件)であれば、後述する買取再販業者との取引事情に近づいていきます。(その 水準の物件を、わざわざ仲介で購入するかは別問題ですが)

少なくとも、前ページで書いた「お客様感覚を捨てないとダメ」は当たり前で、「仲介不動産業者に懇切丁寧な対応をされているうちは、良い物件を紹介されるはずがない」と いうことも腹落ちしていただけるのではないかと思います。

なお、仲介不動産業者との取引においては、逆にレインズ未掲載の物件を狙う方法もありますので、別記事でご説明しようと思っています。





(2)買取再販業者の物件

前ページでも書きましたが、買取再販業者は、区分ワンルーム物件を独自ルートで割安に仕入れ、融資・利回り・売買相場から適正価格に補正して、効率的に不動 産投資家に大量供販売することをビジネスモデルとしています。


仲介を生業とする不動産業者との大きな違いは以下3点です。

■ライバルは自社営業マンのみ!

 たとえば、日本財託の物件は日本財託からしか買えず、全国の不動産業者と競合する事態にはなりません。ただし、営業マンはノルマを持っていたり、販 売実績で奨励金が出たりするため、自社営業マン同士の競争は発生するようです。

■長期在庫が最大リスク!

 仲介と異なり、自社で物件購入しているため、売主への決済期限までに販売完了できないと、自社資金(または借入)で支払う事態になってしまいます。(自社 購入といっても、キャッシュの流れとしては、掛け売りや売買予約のような形での仕入れが多いようです)

 長期在庫は会社の資金繰りに直結するため、1日を急ぐスピード勝負というよりも、仕入れサイクルに合わせた販売を好む傾向があります。

■原則は融資もセット販売!

 主たる顧客層は「普通のサラリーマン」や公務員等であることが多く、大抵の買取再販業者は、金融機関との提携ローンを持っています。(仲介と異なり、ロー ン審査中に他社に取られる心配がないため、現金販売優先という事情はないようです)






さて、こうした立場の買取再販業者は、どんな相手と取引したいと考えるでしょうか。

 ①希望条件、資産・属性がハッキリしている相手

 ②リピーターや既存顧客からの紹介相手


①について、買取再販業者は、自社の仕入れた豊富な在庫物件のなかか ら、顧客の希望条件(エリア・価格帯・購入時期等)に合った物件を、営業マンが選んで提案する販売スタイルです。

そのため、営業マンが提案しやすいように、希望条件をハッキリと伝えておくことが何 よりも重要になります。

また、多重債務者や自己破産歴がある方、あるいは勤続年数が短い場合には、使える提携ローンが限られたり、最悪は提携ローンが使えないこともあるため、資産状況や属性をしっかり教えてくれる相手の方が取引しやすくなるはずです。

②について、買取再販業者は常に販売物件が豊富にある状況のため、購入実績があり気心の知れたリ ピーターや、紹介元を通じて身元の保証された紹介相手は大事に扱う傾向が強いようです。(良い物件が出た時点で、最も成約見込みの高い相手を選ぶ仲介とは異なると感じてい ます)

買取再販業者を検討するなら、飛び込みよりも誰かからの紹介が良いのは間違いないで しょう。(個別相談実施者限定で、私からの紹介も可能です)


こう比較すると、不動産投資初心者の方が、いきなり仲介の不動産業者から良い物件を購入するのはハードルが高いようにも見えますが、一方で買取再販業者の物 件には、そもそも一定水準以上の良い物件はありません。

買取販売業者にも多少割安な物件はあるかもしれませんが、良くも悪くも平均的で、区分ワンルーム投資のなかでも、一際、初 心者向きなパッケージ商品といえます。



さて、このページでは、仲介不動産業者と、買取再販業者のそれぞれのケースにおいて、優先的に物件情報を貰うためのコツを説明しました。

どちらで購入するのが良いとは一概にいえませんが、私の過去の相談者の傾向を見ていると、最初は買取再販業者の物件を購入して経験を積み、物足りなさを感じ た方 は、少しずつ仲介物件へシフトしていく傾向があるように感じています。

次のページでは、どちらの業者と付き合うにせよ、避けては通れないテーマである「希望エリア」の考え方について、ご説明していきたいと思います。

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