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3-10.  バブル期物件のメリット・デメリット

さて、前のページではバ ブル期物件の特徴と平均的な利回りについてご説明しました。
このページでは、中古物件のなかでもバブル期物件を狙うことのメリット・デメリットをみていきましょう。

まずは、収益性です。

前述のとおり、バ ブル期物件の多くは現在の入居者のニーズにはやや足りない設備・仕様であることが多く、
家賃は築浅物件と比べて相対的に低めとなります。

<例>
・3点ユニット式バストイレ
・1口ガスコンロ
・16~18㎡程度のやや狭い占有面積
・カーペットフロア
・ミニキッチン(ミニ冷蔵庫付き)

バブル期物件は建設時期によっても個体差が大きいものの、やはり設備・仕様面では、
築浅物件には一歩も二歩も見劣りしてしまうケースがほとんどです。
バブル期物件は「築浅物件よりも古いから家賃が低い」だけではなく、
「築浅期物件よりも仕様・設備が劣るから家賃が低い」ということです。

逆にいえば、建設時期が古くとも築浅物件並みの設備・仕様にリフォームすれさえすれば、
家賃相場は築浅物件に近づけられる可能性もあります。
(ただ、建物全体の管理がしっかりされていることが大前提ですし、そうしたリフォームには多額の投資が
必要となりますので、現実的にはなかなか難しいようですが)

つまり、バブル期物件は築浅物件よりも相対的に家賃収入は低くなり、これを改善するには建物管理の状況を
見極める物件の選別眼と投資対効果の取れるリフォームをするスキルが必要と考えられます。


また、家賃相場が低いということは入居者属性も相対的に低いということです。
これは相対的に高い滞納リスクを受容する覚悟が必要と言い換えてもよいかと思います。

もう1点、空室期間についてもやはり築浅物件よりも長めに考える必要があります。
前のページで(株)日本 財託の統計データを書きましたが、やはり埋まりやすさの差は明白であり、
今後もこの差は広がりこそすれ、縮まることは考えにくいと思われます。

纏めると、バブル期物件は収益面ではやはり厳しい結果です。
 ・家賃は低め
 ・空室期間は比較的長い
 ・滞納発生率は比較的高い




次に費用面をみていきましょう。

<メリット>
・各種税金
 購入時に発生する不動産取得税のほか、毎月発生する固定資産税・都市計画税は、
 物件の価値を基準に課税されますので購入価格(≒価値)の低いバブル期物件は相対的に割安となります。

・管理費/修繕積立金
 物件により高いものから安いものまで様々です。
 管理費の差は、建物管理を自主管理or外部委託、外部委託ならどこへ委託するか、によって変わります。
 管理の質と管理費は必ずしも比例しないことも多いので、
 管理の質に見合った管理費かどうかを見極めて買うことができるのがメリットです。
 また、修繕積立金も残高や修繕履歴から、今後の値上げ有無をある程度予測することができます。

<デメリット>
・リフォーム費用
 物件による個体差が大きいものの、エアコン/給湯器などはバブル期物件は老朽化していることが多く、
 「守りのリフォーム」にも結構細かい費用が発生します。



以上、簡単にメリット・デメリットを挙げてみましたが、基本的には築浅物件の反対の結果になるので、
目新しさはなかったかもしれません。

バブル期物件は、その価格や利回りの有利性から初心者の方が入りやすいと思われることも多いようですが、
前述のとおり、バブル期物件はアタリ・ハズレの個体差が激しく、物件の 選別眼を養うのにある程度の
「慣れ」が必要と考えるため、私は最初の物件として購入することにあまり賛成できません。
(購入前から「慣れ」に相当する知識を学べていればよいのでしょうが、現実問題として、
かつての私のような全くの素人が本を5冊・10冊読んだ程度ではなかなか難しいように思います)

まあ、私が保守的な人間だからかもしれませんが(笑)、区分投資は数を増やしてナンボの投資法ですから、
最初からリスクを取る物件を買わなくてもよいのでは?というだけです。
売買を繰り返すうちに、人脈や経験は確実に蓄積されていきますし、
物件の分散保有でリスクが下がった分、物件個々のリスクを取れるという考え方も可能です。

「これから区分投資/ワンルーム投資を始めるならどう買い進めるべきか」についても、
今後、記事にしていきたいと思います。

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