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3-2.  必須チェック!重要事項調査報告書

前ページにて、「自分にとっての優良物件の条件」を明確にしてから、その条件を得意とする不動産業者を探しに行くべきと書きました。

このページでは、実際に自分に合った物件をいくつか紹介された際、必ずチェックすべき、”重要事項調査報告書”について、ご説明していきま す。


重要事項調査報告書とは、そのマンション全体を管理する建物管理会社(自主管理の場合は理事会または理事長)が発行する、マンション全体の管理・修繕・告知 事項等を纏めた書類です。

2-2.区分ワンルーム投資でのデメリット対策」でも書きましたが、区分ワンルーム投資における大きなデメリッ トの1つが、「区分所有者一人の力では、マンション全体の 管理・修繕に工夫の余地がなく、問題があっても簡単に正すことはできない」ということでした。

そのため、「マンション全体の管理や修繕が一定水準以上に保たれていること(今後も保たれる見通しが 立つこと)」は、区分ワンルーム投資の生命線といえます。

重要事項調査報告書を読み解くことで、そのマンション全体の管理や修繕のレベルを推し量るわけですが、書類の書式や構成は、マン ション(発行者)ごとに様々 です。

数十ページに及ぶしっかりした資料を出してくれる建物管理会社もあれば、ペラ紙1枚という建物管理会社もあります。(枚数が多ければ良いわけではないです が、少なくとも極端に内容の薄い書類しか出さない建物管理会社であれば、その時点で要注意ですね)





では、具体的なチェックポイントを説明していきましょう。

もちろん物件ごとにチェックポイントは異なりますが、どんな物件であっても、以下5点は押さえておきましょう。

①インターネット設備

いまどき、ネットの使えないマンションは致命的です。念のため確認しておきましょう。


②売主の管理費・修繕積立金および滞納額

不動産業者の作る資料(マイソク等)は、基本的に間違いだらけと思ってください。

管理費・修繕積立金にしても、別物件の金額が載っていたり、直近の値上げが未反映となっているケースは日常茶飯事ですので(私も何度も被害経験あり)、必ず 金額を付け合わせしておきましょう。

また、売却理由が売主の資金事情(金欠)による場合、直近数ヶ月分の管理費・修繕積立金が未納となていることもあります。この場合、引き渡しまでに未納分を 完済してもらうか、未納分を諸費用精算することになりますので、見落とさないようにしてください。


③毎月の管理費収支

健全なマンションの場合、「毎月の管理費収入 >毎月の管理費支出」となっており、管理費の余剰金は修繕積立金に移行します。

もちろん、突発的な事情で単月赤字になることはあるでしょうが、恒常的に管理費が赤字状態ということは、マンション管理がうまくいっていない証左です。特に 借入金がある場合は要注意です。


④大規模修繕の実施履歴と修繕積立金の残高

建物の規模や設備にもよりますが、マンションは10年~20年に一度は大規模修繕を行うことが必要です。

築年数から逆算して、「適切な回数の大規模修繕が過去に行われてたか」「次回以降の大規模修繕に必要な積立金は残っているか」は必ず確認しま しょう。

大規模修繕にかかる費用は、マンションのグレードや設備によりますし、大規模修繕の業者選定時に、しっかりコンペをできるかによっても大きく変わるのです が、敢えて目安を言えば、1戸あたり50万円以上はかかると思った方が無難です。(例えば、40戸のマンションであれば2,000万円以上が目安)

また、エレベータのある建物であれば、1基あたり+500万円~1,000万円を見ておくとよいでしょう。


⑤民泊の可否

一部の繁華街等に立地するマンションを除き、民泊不可を管理規約で定めるマンションが増えてきました。民泊の賛否はここでは触れませんが、いずれにせよ チェックしておきましょう。


他にも駐車場・駐輪場の有無や、行政手続き書類(検査済証等)の有無、楽器やペット等のルールなど、様々な事項が書いてあるはずです。

たとえば、「駅から距離のある物件の駐輪場有無は入居率に影響が大きいかもしれない」「1982年築の物件なのでギリギリ旧耐震かもしれない」・・・など、 物件事情に合わせて確認観点を決めて読み解きましょう。





では、ここで引っかかるポイントに気付いた場合、どうすればよいでしょうか。

まずは、仲介不動産会社または買取再販業者を通じて、建物管理会社に詳細を確認してもらってください。(買取再販業者の物件では、基本的に②の売主の滞納金 は買取再販業者と売主で解決する話になります)


ただ、特に仲介不動産業者によくあるのですが、建物管理会社への確認が伝言ゲームとなって、なかなか意図する回答を貰えないことがあります。

やむなく、再質問・再々質問・・・となるわけですが、次第に仲介不動産業者も面倒になり、レスポンスがどんどん悪くなる・・・というのは、この業界での”あ るある”です。(前述したとおり、それが優良物件であれば、仲介不動産業者としては早く契約を取り付けないと他の仲介不動産業者に取られてしまうからです)

そこでお勧めなのは、自分で建物管理会社に聞いてしまうことです。

基本的に、仲介不動産業者は書類に書いてある以上の情報は持っていませんし、特に不動産投資初心者とは物件選定の感度に大きな温度差があります。

私が思うに、ここが両者のすれ違いの原因なのですが、仲介不動産業者は「なぜ、こんな細かいことを聞くんだろう」と思い、不動産投資初心者は「なぜ、 プロなのにこんなことも分からないのだろう」と思っているわけなんですね。

だったら、自分で聞いてしまえばよいのです。(もちろん、他の仲介不動産業者に聞くのは御法度ですので、あくまで聞く先は建物管理会社です)

「仲介不動産業者には高額な手数料を払うのだから、自分で確認するなんて冗談じゃない!」と思う方もいるかもしれませんが、前述したとおり、仲介不動産業者 から優良物件を購入しようと思うのであれば、お客様感覚に拘っていても良いことは何もありません。


そして、建物管理会社から回答を得て、いくばくかのマイナス事情がハッキリした(または事情が判明できなかった)としましょう。

その場合は、選択肢は2つです。

 ■この物件購入を見送る

 ■マイナス事情への対策を契約に織り込む(数字化できる事情なら指値をする)


前者について、区分ワンルームとはいえ不動産投資は高額な取引ですので、「よく分からないものには手を出さない」は一つの戦略ですし、リスク分散の利かない 不動産投資初心者こそ、慎重になるべきだと思います。

後者について、相手あってのことですが、ダメ元で交渉してみるのはアリでしょう。(特に、相手が買取再販業者の場合は、最初からマイナス事情を織り込んだ価 格設定となっていることも多く、交渉は難しいとは思いますが・・・)


さて、ここまではマンション全体に関するチェックポイントでしたが、専有部分(購入検討している区分ワンルーム部分)にも当然様々なチェックポイントがあります。

次ページでは、専有部分に関するチェックポイントをご説明していきます。


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