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3-3.  専有部分の必須チェックポイント

前ページでは、マンション全体に関する必須チェックポイントをご説明しました。

このページでは、購入検討している専有部分(区分ワンルーム部分)の必須チェックポイントについて、ご説明していきます。

専有部分は、「未入居」「現空」「オーナーチェンジ」でチェックポイントが大きく分かれます。


(1)未入居

基本的には新築物件をイメージすればよいですが、「2-7.区分ワンルーム物件の種類と特徴」でご説明のとおり、建築後1年以上経過した未入居物件も対象です。

設備(エアコンや給湯器等)の稼働可否と室内の汚破損のほか、売主・メーカー保証の範囲を確認しておきましょう。

また、建築後に長期間未入居となっているようであれば、その理由も必ず確認しておきましょう。


(2)現空

「現況(現在)空室」のことで、区分ワンルーム投資では現空物件の売買も盛んに行われています。

前入居者が退去したことをきっかけに売却となったり、事務所や単身者セカンドハウスとして使用しなくなった理由での売却となることも多いようです。

不動産投資家としては、室内を見たうえで購入判断できるメリットがある一方、入居付けをしないと家賃がすぐに入らないデメリットもあります。

未入居物件と異なり、建物の築年数や前入居者の生活スタイルによって、室内の状況はピンキリのため、以下ポイントを中心にしっかり確認しましょう。

■設備(エアコン・給湯器等)の稼働可否

未入居物件でも確認するポイントですが、中古である現空物件では経年劣化で壊れていたり、異臭・異音が生じる場合もありますので、しっかり稼働確認をします。

また、一般に、エアコン・給湯器は10年~15年サイクルでの交換が必要となりますので、前回交換時期を忘れずにチェックします。前回交換時期が不明の場合 は、エアコンや給湯器の製造年月から推測します。(大抵の場合、本体に製造年月の書いたシールが貼られています)

■床材の素材・痛み

区分ワンルームで多い床材は、「フローリング」「クッションフロア」「カーペット」です。

一般に、クッションフロア・カーペットは耐久性が低く、入退去毎に交換することが多いのですが、相対的に費用は安価です。逆に、フローリングは丁寧に使えば 10年~20年は持つと言われますが、交換費用は相対的に高価となります。

フローリングかつ現状で痛みが激しい場合は、遠からず高額な交換費用がかかることも想定しておきましょう。

なお、多くの場合は、マンション管理規約で防音等級が決められています。最近は、一見するとフローリングのようなクッションフロアも登場しており人気となっ ていますが、防音性の低いクッションフロアも少なくありません。フローリングからクッションフロアへの変更を考えている場 合には、防音等級も確認しておきましょう。

■残置物・その他汚破損の有無

たまに、前入居者や売主の私物が残置物として置かれたままのことがあります。

小さな残置物であれば購入後に捨てればよいでしょうが、照明器具や収納棚等の大型家具は捨てるのに手間もお金もかかります。(私の経験では、ベランダに壊れ た自転車が放置されていたこともありました)

また、キッチン棚や下駄箱の塗装剥がれや、便器やシャワーの汚破損の修理等、細かな修繕も積み上げれば結構な金額になりますので、しっかり確認しておきま しょう。

■空室理由

「前入居者が退去後すぐ」であれば問題ありませんが、適正家賃で長期間にわたり入居付けを行っていたうえで現空なのであれば、なにか理由があると疑うべきで す。





(3)オーナーチェンジ

現在の入居者との関係を、売主から引き継ぐケースをオーナーチェンジといいます。

「未入居」「現空」と異なり室内の状況が分かりませんので、想定されるリスクを受容する前提での購入検討が前提となります。

区分ワンルーム投資ではもっとも多いケースで、必須チェックポイントも最も多くなります。

■現入居者の確認

これは本当に超重要です。絶対に欠かしてはなりません。必須チェックの観点は以下です。

 ・これまでに滞納や近隣トラブルを起こしたことはないか

 ・賃貸借契約書(契約期間、更新・退去時の取り決め等)に不自然な点がないか

 ・覚書や口頭約束による、特殊な約束事がないか

 ・連帯保証人または保証会社は付いているか

結構よくあるのが、これまで更新契約を放置しており、更新料を受け取っていないケースです。この場合、法定更新として期限の定めのない契約に切り替わ り、半永久的に更新料を貰えないようなことも起こり得ます。

また、滞納や近隣トラブルを起こす入居者の場合、せっかく手間のかからない区分ワンルーム投資を選んだメリットが吹き飛んでしまいますので、入念に確認しま しょう。

■管理会社継承の確認

売主が集金代行やサブリース契約を管理会社と契約しているケースについて、その管理会社との契約を解除できることを確認してください。

ここでの管理会社は、建物管理会社とは別であることが多く、費用や管理内容・品質は千差万別です。

なかには契約解除に法外な解約手数料を要求したり、入居者への管理会社変更に協力してくれなかったりする管理会社もありますので、注意が必要です。

■設備・床材等の交換履歴

室内が見れませんので、売主から情報を引き出すしかありません。

エアコン・給湯器はもちろんのこと、床材やガスコンロ(IHコンロ)についても、直近での交換有無を確認しておくのがよいでしょう。また、古い物件であれば ユニットバスの交換有無についても、確認しておきましょう。

■新築時の資料

新築時のパンフレット等には、そのマンションで使用している設備や部材等の写真があることがあります。




・・・いかがでしょうか。

区分ワンルーム投資といえども、これだけの必須チェックポイントがあり、特にオーナーチェンジ物件では、最終的にはリスク受容したうえでの購入判断が必要と なります。


さて、こうしたチェックポイントで、マイナスポイントの気づきがあった場合ですが、前ページと同じく、この後の選択肢は以下2つです。

  ■この物件購入を見送る

  ■マイナス事情への対策を契約に織り込む(数字化できる事情なら指値をする)


買取再販業者からの購入の場合、上記観点によるマイナス事情は販売価格に織り込まれていることが多い点も前ページと同様です。

こうした経験を積み上げることで、同じマンションの同じような部屋の価格差が、「お買い得なのか」 「理由があって安いだけなのか」が少しずつ分かるようになってきます。


次のページでは、マイソク記載の主要項目(広さや間取りなど)について、不動産投資家目線での読み方を説明していきます。

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