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3-6.  新古物件は新築と中古の良いトコ取り!?

さて、ここからは中古物件の種類についてみていきましょう。

まずは、新古物件です。
前のページで、「何らかの理由で新築で売り切れずに一定期間が経過してしまった物件」と
簡単にご説明しました。
新築とも中古とも違うので、間をとって「新古」と呼ぶわけです。


もう少し詳しくご説明します。
不動産業界の自主規制基準である「不動産の表示に関する公正競争規約」(以下、「表示規約」)のなかで、
「新築」と表示して取引できる範囲が明確に決めています。

 新築 =建築後1年未満であって、居住の用に供されたことがないもの


また、上記「表示規約」では、中古についても以下のように決められています。

 中古マンション =建築後1年以上経過し、又は居住の用に供されたことがあるマンションであって、
            住戸ごとに売買するもの


つまり、何らかの理由で建築後1年以上売れ残ってしまうと「新築」と表示できなくなり、
中古マンションとして売買することになります。
また、実は表示規約上は「新古物件」という名称は存在していないのです。





じゃあ、「新古物件ってナニモノなんだ??」という話になりますよね。

話をややこしくしているのは、金融機関がその物件を「新築」として扱ってくれる期間と、
この表示規約の定義が必ずしも一致しないことに起因しています。

一部の金融機関では、未入居であることを条件にしたうえで建築後2年までは「新築」として、
融資をしてくれるところがあるそうなのです。(私は実際に利用したことがないので伝聞ですが・・・)

当たり前ですが販売業者はなるべく高値で売りたいわけで、「中古」とはあまり表示したくありません。
そこで、表示規約上は「新築」ではないけれども、一部金融機関は「新築」として融資をしてくれる物件は、
あえて「中古」とは呼ばずに「新古」として販売する商慣習ができたそうです。

ちなみに似たような出で立ちの名称に、「再販物件」「クリアランス物件」などがあります。
これらは当初の販売業者から別の販売業者が買い取り販売する物件のことで、やはり営業戦略上の理由から、
物件の呼び名を変えているようです。





では、実際に新古物件はお得なのでしょうか?

私自身が新古物件に最初に出会ったのは自宅を探しているときでした。
売主のデベロッパーが民事再生に入ったことで大量の売れ残りが発生していたのです。
その当時はまだ新古物件なる単語も知らず、「売れ残り物件だけあって、さすがに安いな~」くらいにしか
思っていませんでしたが、たしかに相場よりも2~3割安かったです。

次に出会ったのは、不動産投資を始めて間もない頃でした。
新築業者の持ってくる物件に嫌気が差し、インターネットで中古業者に手当たり次第アポを取っていた際、
ある不動産業者から新古物件の提案を受けたのです。
そのときの業者との生々しいやり取りはブ ログにアップしていますので、よければ見てみてください(笑)

結論だけ書きますと、立て続けに2社から提案を受けたのですが、1社は完全に新築の価格帯、
もう1社は新築にしては若干割安だったもののかなり立地が悪く、典型的な売れ残り物件でした。。。



変な言い方ですが、新古物件が生まれるには、新築後に1年以上売れ残ることが必要です。
上で書いた物件のように、単純に立地が悪いなど不人気で売れ残った物件が多いことでしょう。

でも、私が最初に見たマンションのようにデベロッパーや販売業者が倒産するなどの事情で、
止む無く売り止めになったり、思うように販売活動が続けられずに売れ残るケースもあるようです。

こうしたケースでは必ずしも物件そのものに問題があるとも言い切れず、お買い得物件もあるかもしれません。


ただ、気をつけたいのはなぜ新古物件が割安になっているかという点です。
(上の例のように割安になっていない物件もあるようですが・・・)

物件個別に様々な事情はあるのは当然として、
共通する理由に、建築後2年経って「新古」とも呼べなくなるまでになんとか売り切りたい、
という業者側の思惑は容易に想像できるかと思います。

これは裏を返せば、建築後2年経てばもっと安く販売せざるを得ない可能性がある、とい うことです。
新築未入居とはいえ、表示上は中古となってしまいますので、
そのエリアの築浅中古物件の取引事例類似法による価格設定を意識せざるを得ないことでしょう。

つまり、理屈上は新古物件よりも築浅中古物件の方がさらに割安になるはずなのです。



そうやって考えていくと、私にはあえて新古を狙うメリットは思いつきません。
豊富な中古物件の山からお買い得の物件を探すほうがよほど合理的だと思います。

でも、新古物件には「未入居」という魅力があるのも事実です。
(投資目的ではなく、自分や家族が居住するなら替え難い魅力かもしれません)

何らの理由でどうしても新古を探すのであれば、建築後2年経過間近の物件を狙って、
販売業者とゴリゴリ交渉するのがよいでしょう。
もし、周辺の築浅物件相場並みに値引いてもらえれば、まさに新築と中古の良いトコ取りですね!

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