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3-8.  築浅物件のメリット・デメリット

さて、前のページで築浅 物件の特徴と平均的な利回りについてご説明しました。
このページでは、中古物件のなかでも築浅物件を狙うことのメリット・デメリットをみていきましょう。


まずは収益性です。

前述のとおり、築浅マンションは現代の入居者ニーズを捉えた仕様・設備が多く備わっており、
大家にとってほとんど唯一のインカム源である家賃を高めにいただけることに繋がっています。
 <例>
 ・豪華なエントランス(独立式オートロックドア、監視カメラ等)
 ・20㎡以上の広めの占有面積
 ・バストイレ別
 ・簡易システムキッチン(2口ガスコンロ、冷蔵庫置き場、魚焼きグリル等)
 ・室内洗濯機置き場
 ・クローゼット
 ・フローリング(含むフローリング調クッションフロア)


こうした仕様・設備は多くのバブル期物件には備わっていないため、立地等の条件が同じとした場合、
新しいうちは言うに及ばず、ある程度古くなってからも相対的な優位は変わりません。
築浅物件は「バブル期物件よりも新しいから家賃が高い」のではなく、
「バブル期物件よりも仕様・設備が良いから家賃が高い」ということで す。

私も実際に物件を探していると、まるで築浅物件のように見えるメンテナンスの素晴らしい
バブル期物件に遭遇することがあります。
ただ、外観や共有部分がいくら素晴らしくメンテナンスされていたとしても、
部屋の広さや仕様・設備は残念ながら見劣りするケースがほとんどで、
やはりバブル期物件が築浅物件と同じ競争力を持つのは難しそうだなぁ・・・と実感させられます。
(稀に室内も含めて大規模リフォームした物件もありますがその分は購入価格に反映されますので、
そもそもバブル期物件としての購入価格や利回り面での旨みが減ります)

つまり、築浅物件の家賃は、基本的にバブル期物件よりも高くなり、
年月が経ってもその相対的な優位関係は変わらないと考えてよいと思います。





もう1点、いくら家賃が高く取れるとしても、滞納が発生したり、空室が長期化しては意味がありません。
その点でもやはり築浅物件は有利なようです。

投資用ワンルームマンションの販売・管理の業界最大手である(株)日本財託の統計によれば、
築浅物件は平均30日で次の入居者が見つかるのに対してバブル期物件は平均40日を要するそうです。
わずか10日の差ではありますが、日本財託は物件賃貸需要の高いエリア(都内・川崎・横浜の駅近)に
管理物件を絞る会社です。
その賃貸需要が高いエリア(実績に差が出にくいエリア)でのデータでもはっきりと差が出るということは、
郊外や地方の区分マンションではもっと顕著な差がつくだろうことは想像に難くありません。

また、高めの家賃(都内近辺では65,000円程度~)が支払いできる方が入居者となるわけですから、
それなりに属性の良い方が多くなるのも想像できるかと思います。
もちろん公務員や立派な会社にお勤めの方だからといって手放しに安心できる時代でもありませんが、
家賃滞納の発生可能性は相対的に低いとみるのが一般的です。


まとめると、築浅物件の収益面では以下のようにいいこと尽くめです。
 ・家賃は高め
 ・空室期間は比較的短い
 ・滞納発生率は比較的低い






次に費用面をみていきましょう。

<メリット>
・リフォーム費用
 購入時点から現代仕様なわけですから、基本的には現状回復できれば問題なく、
 突発的な事故やあえて差別化を狙うケース以外では、仕様・設備のための大きな出費は必要ありません。

<デメリット>
・修繕積立金
 修繕積立金は、主に共有部分の修繕のために毎月積み立てられる費用のことで、
 購入時点ではバブル期物件よりも安いケースがほとんどだと思います。
 しかし、具体的な大規模修繕計画を作る築10年~20年目を目安に値上げされることが一般的で、
 入居者受けする仕様・設備の維持管理のために、バブル期物件よりも高額になることも少なくありません。

・各種税金
 購入時に発生する不動産取得税のほか、毎月発生する固定資産税・都市計画税は、
 物件の価値を基準に課税されますので購入価格(≒価値)の高い築浅物件は相対的に割高となります。

 

簡単にメリット・デメリットを挙げてきましたが、いかがでしょうか。

修繕積立金と各種税金には注意が必要なものの、バブル期物件よりも有利な結果が多く並びました。
前ページで記載の価格や 利回りで納得がいく方にとっては、
特に最初の物件としては、築浅物件のほうがよりお手軽で初心者向きといえると思います。


私自身も築浅物件とバブル期物件それぞれ保有していますが、最初に購入したのは築浅物件でしたし、
運用負荷も圧倒的に築浅物件の方が楽です。(というか、ほとんどすることがありません)
J-REIT以外で、不動産投資をなるべくお手軽に始めたい方にとっては最適な方法で はないかと思います。


さて、次のページからはバブル期物件についても詳しくみていきたいと思います。


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