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4-2.  裏事情!?営業マンに差が出る背景とは?

さて、前のページで私がこれまでお会いした50名近い営業マンたちには、
「雑談だけでも勉強になるようなプロの方もいれば、頼りなくてどうにもならない方もいた」
と書きました。

もちろん営業マンも一人の人間ですから、他の業界と同じように優秀な人もいれば、
そうでない人もいるのは当たり前です。

それなのになぜ、わざわざこんな記事を書こうと思ったのかといえば、
投資用不動産の営業マンに期待するものは、他の業界のそれとはちょっと違っていて、
それゆえ特に営業マンの差を感じやすいと思うからです。


一般に買い手が、(他の業界の)営業マンに求めるものってどんなものでしょう?
たとえば、同じく高額商品である居住用ファミリーマンションや自動車の営業マンを
イメージすると以下のような具合でしょうか?

 ・販売商品についての基本的な知識(商品の特徴や差別化のポイントが語れること)
 ・コミュニケーション能力(曖昧なイメージから顧客ニーズを引き出してくれること)
 ・信頼感、安定感(正確な事務処理や適切なフォローをしてくれること)
 ・サービス精神(楽しい雰囲気を作ってくれること、値引きを頑張ってくれること・笑)
                                               ・・・などなど。


すご~く独断と偏見に満ちたイメージですが(笑)、
一般に、「営業マン=その道のエキスパート」とはあまり思われておらず、
高度な専門知識よりも人間力みたいなものが期待されているんじゃないかと思うんです。

たとえば技術上がりでとんでもなく車の構造に詳しい新車ディーラーの営業マンがいたとしても、
コミュニケーション能力やサービス精神が低ければ、買い手の期待には応えづらいでしょう。
逆に商品カタログに載っているレベルの知識しかなくとも、
気持ちのよい接客で買う気にさせてくれる営業マンはたくさんいますよね。

背景にあるのは、買い手側がその商品のド素人であることと、
そもそも一定レベルでの商品への信用があるからだと思います。

たとえばトヨタのマークXを購入検討している人は、別にマークXに特別詳しい人ではないわけで、
商品カタログにも載っていないような専門的な質問をすることはそもそも難しいでしょう。
また、トヨタの新車ならば一定以上の品質だということは容易に想像できますので、
仮に営業マンが質問に答えられずとも、それだけで購入見送りには直結しないでしょう。

ですから、必ずしもマークXにトコトン詳しい営業マンでなくとも、
人間力に秀でた人であれば買い手の期待に十分に応えられると思うのです。
(居住用ファミリーマンションでも同じことが言えると思います)





その一方、投資用物件(中古物件)は基本的に「一点モノ」です。
「一点モノ」であるがゆえに、買い手の心象は、その商品に対して不安を抱えたところから始まります。

「その物件の良い点・悪い点は?」「相場と比べて価格は適正なのか?」
「周辺エリアの賃貸ニーズは?」「ご近所トラブルはないか?」「管理状況は大丈夫?」「売却理由は?」
などなどたくさん質問を重ねて不安を取り除きたいと考えるワケです。

そのため、投資用物件の営業マンに期待するのは、こうした質問に迅速・正確に回答してもらうことであって、
コミュニケーション能力やサービス精神などの人間力は二の次、三の次となるのです。
(極端にいえば、少なくとも私はペコペコ営業などはまったく期待していません)

しかも投資用物件の買い手は、素人とはいえそれなりに勉強を重ねた人も少なくないはずで、
いい加減な回答をすれば見抜かれてしまいます。

投資用物件を扱う営業マンには、専門的で高度な「知識」を何よりも期待してしまうのですね。



では投資用物件を扱う不動産業者の多くが、こちらの期待する知識を持っているかといえば、
本当にアタリ・ハズレが大きいというのが50名近い営業マンと会ってきた私の所感です。

この話を懇意にしているある営業マンの方にしたところ、興味深い話を聞かせてくれました。
実は、営業マンのアタリ・ハズレが大きいのは、なるべくしてなっているというのです。






彼が言うには、投資用不動産の世界での営業マンはすご~く大雑把に4つに分類できるそうです。

 (A)親子代々で不動産を扱ってきた、不動産のサラブレッドのような営業マン
 (B)若いうちから独立、または不動産業界内で転職を繰り返す営業マン
 (C)大手不動産企業に新卒で入社して経験を積んだ営業マン
 (D)大手不動産企業に他業種から転職した営業マン


(A)は父の背中を見て不動産業界に入ったタイプの方です。
大手よりも個人経営の不動産業者に多く、バブル期やその前の不動産業界の事情にも明るく、
とんでもなく広い業界ネットワークを持っている(と匂わせる?)方も少なくありません。
こうした方のお話は大変勉強になりますので、末永く大事にしたいご縁です。

(B)は若いうちから不動産業界に入り、キャリアアップのため転職を繰り返しているタイプの方です。
年配の方には、バブル期には会社を興した経験のある方もいらっしゃいます。
実力があり業界の酸いも甘いも知り尽くした方たちが多いようで、やはり雑談だけでも大変勉強になります。
(ちなみにこの話をしてくれた彼はこのタイプでした)

(C)は投資用物件が比較的メジャーになった後、大手の投資用不動産会社に新卒で就職し、
その後着実に知識と経験を積まれているタイプの方です。
若い方が多いものの、私たちと近い目線で不動産の勉強を日々積んでいるため、
分かりやすく有益な情報をくれたりします。
ただ、会社によっては自社物件を売るスキルだけを教育するケースも少なくないようで、
そうした会社の営業マンと関わると厄介なことになったりもします(苦笑)

そして(D)は、新築マンションや自動車ディーラーなど異業種で営業や接客をやっていた方が
人間力を武器に投資用不動産企業に転職するパターンです。
ある程度の研修は入社後に受けるのでしょうが、専門知識が一朝一夕に身に付くはずもなく・・・。



・・・もちろんダメダメな(A)の方もいれば、頼れる営業マンになった(D)の方もいるはずですが、
一つの目安としては面白い話かなぁと思ったのでご紹介してみました。


繰り返しますが、不動産投資では付き合う営業マンが大事です。
もう少しいうと、それぞれの営業マンが得意な領域・苦手な領域を理解して、
お付き合いしていくことが大事です。

次のページからは、「売買中心の不動産業者」を種類別に詳しくみていきましょう。

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