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4-8.  仲介専門業者との付き合い方

前頁までで、

・仲介専門業者とはどんな方なのか(買取再販型業者とは何が違うのか)
・仲介取引の類型(種類)にはどんなものがあるのか
・仲介取引における元付け・客付けとはなにか
・仲介取引で業者はどのような儲けの仕組みになっているのか

の基本知識を一通りご説明してきました。

この頁からは、それら知識を使って少しずつ実用的なご説明に移っていきます。


まず、不動産投資初心者の方が、仲介専門業者を介して区分物件・ワンルーム物件を売買する際、
日本財託のような買取再販型業者との取引とはまったく違うことを改めて理解しておきましょう。

買取再販型業者の提案するワンルーム投資は、いわば初心者向けのパッケージ商品です。
初心者の不動産投資家が最も注意するべきは、どの買取再販型業者とお付き合いするかであり、
まっとうな商売をしている買取再販型業者から購入しているかぎりは、
大儲けできないかわりに大損を被る可能性を比較的抑えることができるといえます。
(その根拠は別の記事で書きましたのでここでは割愛しま す)


その一方、仲介業者を介して不動産を取引するということは、物件を選ぶ主体者は投資家自身となります。

選ぶ候補は、無限に広がる日本全国の売り物件です。
自分なりの選定条件を作り込み、その条件に適う物件を根気強く探して、探して、探して・・・。
どうにか見つけた条件に適う物件を仲介業者に依頼して売主との交渉に入るというわけです。

本当はこの「自分なりの選定条件」の作り方だったり、「条件に適う物件」の探し方だったりこそが、
仲介業者を介する不動産投資ノウハウの真髄でもあるわけですが、
さすがにそれをHPで公開するわけにはいきませんのでご容赦ください(笑)






では、仲介業者を介して不動産取引をする際、仲介業者とはどのようにお付き合いするべきなのでしょうか。
私の考える付き合い方のパターンは大きく3つです。


(1)検討物件ごとに仲介業者を変える

どうにかして見つけた「条件に適う物件」の元付け業者と直接コンタクトを取るパターンです。

前のページで、仲介業者には「元付け業者」と「客付け業者」があることをご説明しましたが、
仲介業者が最もモチベーション高く仕事をしてくれるケースは、「両手」がとれるケースでしたね。

これを逆手にとって、最初から客付け業者は一切スルーして、何とかして元付け業者を探し出し、
仲介業者とWIN-WINになれる状況を自ら作り出す、というわけです。


私たち買い手が、元付け業者と取引するメリットはとても大きいものです。
たとえば・・・

①売主から直接依頼を受けているため持っている情報量が多い(情報確認のスピードが早い)

通常、客付け業者がその物件の情報を知るきっかけはレインズです。
逆にいえばレインズに登録されていない情報は、客付け業者も知らないケースが大半です。
(たとえば、物件の修繕履歴詳細や管理組合の収支状況、あるいは売主様の売却事由などは
通常はレインズに登録されないようです)

その場合、元付け業者を介して売主に情報確認をしてもらうことになりますが、
ワンクッション入る分、情報伝達のスピードや精度はどうしても悪くなります。


②価格等の条件交渉がしやすい

元付け業者は売主に近いため、売主の性格や売却事情等を考慮してもらったうえで、
より適切な条件交渉がしやすくなるのはイメージしやすいかと思います。

さらに、これまで記載のとおり、元付け業者としては極力自分で買い手も探してきたいわけですから、
客付け業者の探してきた買い手よりも、売主様との交渉に力が入ることも少なくないでしょう。
(このあたりの事情はグレーな話が多いので、この辺で自主規制します・・・苦笑)





さて、ここまで元付け業者の良い点だけを書いてきましたが、やはり良い点ばかりではありません。
以降はデメリットや注意点を見ていきましょう。

③即決・即断が必要

メリットの裏返しでもありますが、元付け業者としては客付け業者が他の買い手を見つける前に、
自分で買い手を確定させたいわけです。
そのため、明確な理由なく購入判断を迷ったり、質問を複数回に分けられたりすることを嫌がります。

ここが不動産投資初心者の方には高いハードルともいえますが、
買取再販型業者の提案物件以上の条件であればライバルも多くなるのが普通です。

現実的には「問い合わせして、いろいろ話を聞いてからじっくり検討しよう」のスタンスでは相手にされず、
「アレとコレだけ確認して問題なければすぐに買い付けいれます!」くらいのスピード感が必要と
覚悟しておいたほうがよいでしょう。(条件を妥協すればその限りではありませんが・・・)


④融資や管理業務委託に注意

大手の買取再販型業者の多くは提携ローンを持っており、一定以上の属性・資産のある方であれば、
優遇条件での融資を比較的簡単に引いてこれます。

しかし、元付け業者になる仲介業者には個人事業主のような方も少なくなく、
お任せで金融機関からの優遇を引けるケースばかりではありません。
場合によっては融資付けは自分で全て行わなければならないケースもあるでしょうし、
その場合は金融機関との事前の関係構築が必要となります。
(せっかく一番手をとれても融資が引けなければ水の泡ですからね・・・)

また、管理業務への力の入れ方もそれぞれですが、少なくとも日本財託レベルの手厚い管理は期待できません。
自主管理前提であれば関係ないでしょうが、外注するのであれば外注先も平行して探しておく必要があります。


⑤馴染みになりづらい

基本的には物件ごとに元付け業者は違うわけですから、その仲介業者がまた次も「条件に適う物件」の
元付けとなる可能性は低いでしょう。

不動産投資を継続的に行うには、馴染みの不動産業者を作っておくことが大事とすれば、
この方法で買い進めていくだけでは、なかなか馴染みの業者は増えないということになります。



さらに「そもそも元付け業者ってどうやって見つけるの?」というお話もありますね。

長くなってしまったので、お付き合いパターンのもう1つと合わせて次頁以降へ続きます。

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