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2-7.  区分物件の価格とは!?⑥(収益還元法・DCF法)

前ページまでで、収益還元法のうち直接還元法についてご紹介してきました。
このページでは、残るDCF法についてご紹介いたします。


⑥DCF法

DCF法という言葉そのものはどこかで聞いたことのある方も多いと思いますが、
正確に説明できる人となると一般人にはほとんどいないようです。

DCF法とは「Discounted Cash-Flow」の略のことで、
「対象資産から生じるであろう予想収益の総和割引現在価値をその資産価値とする考え方」です。


・・・スミマセン。分かりづらいですよね(笑) これもサンプルを使ってご説明します。

たとえば、あなたがある資産を運用して、今後10年間にわたり毎年5万円の収益が見込めるとします。
「毎年5万円儲かるなら10年で50万円の儲けだな・・・」と思われるかもしれませんが、そうではありません。

なぜなら、初年度に儲かった5万円は再投資することで「5万円+α」の価値を生み出ことができるからです。
そして2年目に儲かった5万円も同様に「5万円+β」となりますが、再投資できる期間が短くなっているので、
「α>β」ということになります。3年目以降も同様ですね。

そのため5万円という収益を現在価値に割り戻して考える必要があります。
(「現在価値に割り戻す」ため、Discounted Cash-Flowということです)

シンプルにいえば、複利効果から逆算した「お金の価値」に着目した算定方法ともいえます。
DCF法の計算は果てしなく奥の深い世界ですので、関心のある方は専門の書籍やホームページなどで
是非、勉強なさってみてください。(ちなみに1級FP試験にもDCF法の計算問題が出題されていました)




では、このDCF法を不動産投資初心者が扱うにはどうすればよいのでしょうか?

ここでは、あえてDCF法の「現在価値への割引」という最重要観点を排除した「お手軽DCF法」 ともいうべき、
私が実際に使用している方法をご紹介します。

冒頭にもDCF法の定義をご説明しましたが、「現在価値への割引」という観点を排除した場合、
残る要素は、「予想収益の総和」という部分です。

収益還元法でこれまでにご紹介した直接還元法は基本的には1年間単位での計算式でしたが、
DCF法は1年間ではなく、「売却するであろう時点」までの予想収益の総和を使用しま す。
元々、複数年に渡る計算が前提となっていますので、
たとえば「初年度だけ発生する費用」「エアコンや給湯器の買い替えがあった年だけ発生する費用」などの
特殊事情も堂々と試算前提に組み入れることができます。
(前のページで、「私独自の直接還元法は若干インチキ」といった課題も、このお手軽DCF法なら解決です!)


以下、またサンプルを使ってみていきましょう。
【サンプル】
 価格  300万円
 築年  43年目 ※法定耐用年数の47年目終了時に買値の2/3の金額で売却と仮定
 家賃  月額5万円(退去後、10%ずつ家賃は下がると仮定)
 退去  4年に1回(退去後、入居までに4ヶ月空室と仮定)

 
これをエクセル表でパチパチ打ち込んでいきます。(ひとつ、試算表の雛形を作っておくと便利です)

投資年月
1年目
2年目
3年目
4年目
5年目
合計
築年数
43年目
44年目
45年目
46年目
47年目
家賃
満額家賃
600,000円
600,000円 600,000円 600,000円 540,000円
2,940,000円

空室リスク分
0円
0円
0円
▲200,000円
0円
▲200,000円
売却額

0円
0円
0円
0円
2,000,000円
2,000,000円
収益額

600,000円
600,000円 600,000円 400,000円
2,540,000円
4,740,000円


同じように、費用についても1年単位での積み上げを行い、最後に「収益-費用」で利益を算定します。
そして算定された利益と購入価格を比較して、投資として成り立つのかを見る、というものです。


お手軽DCF法では、「収益と費用に何の項目を入れるか」「各パラメータの値をどうするか」がポイントになります。
たとえば家賃の減少幅のパラメータ設定を上下させれば試算結果は変わりますし、
滞納という項目を入れることでもやはり結果は変わってきます。

ここは各人の知識と経験の見せ所でもありますが(笑)、
今回は、数ある物件価格算定方法のご紹介というテーマでしたのであまり深入りせず、
お手軽DCF法のご紹介はこのあたりまでとさせていただきます。(需要があれば別途記事にします。)



さて、ここまでで、主な区分物件の価格決定要素は一通りご紹介が終わりました。

次のページでは、これら複数の方法をどうやって実践で使うのかについてご説明していきます。


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